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αリポ酸(アルファリポ酸):働きと裏話

α(アルファ)リポ酸は急に人気がでました。テレビ番組で大きく取り上げられたが一因でしょう。しかし、それまでは話題にならなかったかはご存知ですか?

実はαリポ酸の存在は細胞の研究の分野では以前から知られており、成分としてのαリポ酸の歴史も結構長いのです。その中でながい苦難の道もあったのです。苦難の道をたどったのは作ってた会社ですけれど。

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αリポ酸(アルファリポ酸)とは

アルファリポ酸は別名チオクト酸。チオクト酸は以前から糖尿病合併症の医薬品として使われていました。それが2004年の医薬品範囲に関する基準の改正により食品にも利用できるようになったので、2004年以降からサプリメントとして話題を集めるようになったのです。

体内では各細胞に存在してミトコンドリアでのエネルギー生成に関わっています。

ちょっとした裏話ですが、αリポ酸(オチクト酸)は医薬品としてそれほど人気のあった成分ではないようで、割に合わない医薬品として各製薬会社はαリポ酸の事業からずいぶん前に撤退してしましました。唯一残ったのが立山化成。そして立山化成は唯一の企業として国からの供給義務を課せられることとなり、撤退することもできず、ずっと作り続けることになりました。大変だったでしょうね。そして、αリポ酸を作り続けて35年。医薬品範囲の改正という予想だにしない形で大ヒットを迎えたました。

αリポ酸はダイエットサプリメント

エネルギーの生成に関わっていると上で書きましたが、αリポ酸のはたらきについてもう少し詳しく解説しましょう。

まず生物のエネルギー生成について、高校生物の範囲から、生物がエネルギー源としているATPを作るには、一般的にグルコースなどの糖が使われます。

  1. 解糖系でグルコースなどを分解、ピルビン酸を生じます。(ATP生成、NADH生成)
  2. ここでできたピルビン酸はアセチルCoA(アセチル補酵素A)に作り変えられます。(NADH生成)
  3. このアセチルCoAがクエン酸回路に入ります。(ATP生成、NADH生成)
  4. NADHからミトコンドリアの電子伝達系でプロトンが得られ、酸化的リン酸化が行われます。(ATP大量生成)

さてαリポ酸は2.のピルビン酸からアセチルCoAを作るときに働いています。この工程はミトコンドリアで行われています。ミトコンドリアに運ばれたピルビン酸はαリポ酸のはたらきによりアセチルCoAとなり、そこではじめてクエン酸回路がまわるのです。

αリポ酸がないと解糖系以降の過程が全て働かないので、4.のATP大量生成が無く、エネルギーがほとんど作られません。ですのでαリポ酸が不足すると作られるエネルギーも不足してしまいます。

逆に、αリポ酸を摂取すると糖、脂肪を効率的にエネルギーにしてくれるわけです。

αリポ酸の抗酸化作用

もう1つ、注目されている作用が抗酸化作用です。αリポ酸の抗酸化力はビタミンC、ビタミンEの400倍ともいわれています。

体内の酸化物質、活性酸素は下図に示したように4種類あります。αリポ酸はフリーラジカルに対しての抗酸化物質として働くので、活性酸素でいえばスーパーオキシドとヒドロキシラジカルに対して働きます。

活性酸素の種類
スーパーオキシド(・O2-):酸化力は弱いフリーラジカル
ヒドロキシラジカル(・OH-)非常に酸化力が強い
過酸化水素H2O2。酸化力はは弱いが安定しており寿命が長い
一重項酸素紫外線などで生じる。酸化力は強い

また、αリポ酸は、酸化されてしまったコエンザイムQ10やビタミン類を再度働けるように復元してくれます。細胞の抗酸化の中心的な存在といえますね。

αリポ酸を摂取する意味

αリポ酸はほうれん草・トマトなどの野菜やレバーに含まれていて食事で摂取することもできますが、含有量はごく微量です。生命維持に欠かせない成分なので、体内でも生成されていますし、一部の腸内細菌も作ってくれています。なので通常は不足することはありません。しかし、加齢と共に生成量は減少していきます。

運動しても昔よりやせにくくなったと感じる方は多いのではないでしょうか?

αリポ酸を摂取して運動すると若いころと同じような体験ができるかもしれませんね。

注:αリポ酸を摂取するだけではエネルギーは燃焼されません。効率よくエネルギーにしてくれるというのがポイントです。

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