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コエンザイムQ10:アンチエイジングと活力

コエンザイムQ10は定番サプリとしてすっかり定着しましたね。一時期入手困難になってましたが、過剰なブームも去り、供給体制も整ってビタミン系のサプリと同じように簡単に手に入るようになりました。ブームが去るのと同時に記憶からも消えてしまいそうですが、それはもったいないです。これは話題になるだけの意味があるのです。

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コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10、ずいぶん変わった名前ですね。コQ10と呼ばれたりしますが略されてしまったエンザイムという言葉、大事です。エンザイムといわれてもなじみがありませんが、翻訳すると酵素。なんだか身近になりましたね。そして頭にコが付いたコエンザイムとは補酵素ということです。

補酵素?せっかく身近に感じたのにまた遠くなってしまった方もおられると思うので簡単に説明です。酵素とは蛋白性の生体触媒。触媒がないと体内の化学反応はまったくといっていいほど進みません。たとえば消化。胃液の主成分は塩酸ですが、肉を塩酸に漬け込んで切り刻んでもなかなか溶けてくれません。これは酵素がないからです。ここに消化酵素を加えてやるとずいぶん簡単に解けるようになります。このように化学反応を助けているものが触媒、その中でも蛋白性で生体由来のものが酵素です。

そしてこの酵素はタンパク質性のアポ酵素とそれに結合する補酵素の二つに分けられます。アポ酵素と補酵素の両方がないと酵素として働くことはできません。

お分かりいただけたでしょうか?

簡単に言えば、コエンザイム(補酵素)は体内の反応を助けている酵素という物質の一部分なんだなぁくらいでもいいです。

コエンザイムQ10の働き

コエンザイムQ10はエネルギーの大元であるATPの生成に関わっています。細胞内でエネルギーのもとATPは作られていますが、その95%は細胞中のミトコンドリアで作られています。ミトコンドリアの持つ電子伝達系というエネルギー生成の系が非常に優れている証拠です。そしてこの電子伝達系の肝、電子伝達機能を持つ物質がユビキノン。生物で電子伝達系を習った人なら聞いたことがあるはずです。

このユビキノンこそがコエンザイムQ10の正体です。なので、大量のエネルギーが必要な常に動き続ける筋肉、心臓には特に多く含まれています。

そのような経緯から、以前は心筋代謝改善薬として使われていました。2001年から区分が薬品から食品に変わったのでサプリメントとして販売できるようになりました。

エネルギー生成の主役とも言えるコエンザイムQ10、不足するともちろん摂取したものを上手にエネルギーに変えることができません。それに伴い、脳、心臓、肝臓、膵臓に異常をきたす場合もあります。

しかし、コエンザイムQ10が人気になったわけは"よ~し、エネルギーをしっかり作るぞ"と考えた人が多いわけではなく、アンチエイジング。

コエンザイムQ10の抗酸化力は非常に強く、ビタミンC、ビタミンEなどとその力は変わらないようです。また、酸化されたビタミンEを還元してまた働けるようにしてくれます。それどころか、ビタミンEはコエンザイムQ10がないとその力を発揮できず、酸化されたビタミンEが脂質を酸化してしまいます。ビタミンEはコエンザイムQ10によって還元されてこそ初めて働けるのです。

老化を防ぎながら元気な体を作れるコエンザイムQ10といったところでしょうか。

現在のところ、大量摂取による弊害は正式には報告されていませんが、過剰にとる必要はないでしょう。

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