DHAって何でしょう?
最近名前は良く聞くし、魚の缶詰なんかにでもかなり大きくアピールされてて、これは魚の缶詰なのかDHAの缶詰なのか良くわからなくなるほど自己主張しております。
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DHAはDocosaHhexaenoic Acid(ドコサヘキサエン酸)の略で、魚の脂肪に多く含まれる不飽和脂肪酸です。
はい、良く聞きます、この説明。
でもこんなのわかってもさっぱり実像がつかめません。これぐらい語れても最近では知ったかぶりもできません。
だいたい、不飽和脂肪酸って?という方も多いはず。人生の中で"不"と付いて良い物なんてあまり記憶に無いですよね・・・
では高校科学の復習からです。
脂肪酸とはカルボキシル基に炭化水素が結合した化合物です。カルボキシル基が?な方もおられるでしょう。カルボキシル基は炭素(C)・酸素(O)・水素(H)から構成されており構造式はCOOH。このCOOHは腕を一本持っていてここにいろんなものが結合します。
そして炭化水素が結合した場合が脂肪酸というわけ。
この脂肪酸の炭素が2重結合・3重結合している場合、これは不飽和脂肪酸と呼ばれます。2重結合・3重結合は2、3本の腕で炭素同士がつながったと思ってください。
いつもなら1つの腕でつながっている場合を飽和とよぶので、2本、3本の腕をもっている油は不飽和脂肪酸と呼ばれます。
"不"は決して悪い意味では無いわけですね。
DHAは6つの不飽和結合をもつヘキサ不飽和脂肪酸で、構造式はCH3-CH2-CH=CH-...(略)....-CH2-COOH 化学式はC22H32O2ずいぶん大きな分子に見えますが、まぁ油ですから。
ちなみにDHAを魚から単純に抽出するととっっっっても生臭い。巷に出回っているものは精製度合いを高め、しっかり加工してくれているんですね。
さて、このDHA、血液サラサラにしてくれたりもするらしいですがやっぱり、なんと言っても脳でしょう。
脳は神経細胞の集まりです。たくさんの神経細胞同士が連絡を取り合っているのですが、そのとき重要なのが神経伝達物質。神経細胞の単体では信号は電流で流れます。しかし、隣の神経細胞にこの信号を伝えるときは神経伝達物質を使わなければなりません。そして放出された伝達物質を次の細胞のレセプター(受容体)で受け取ると受けとった側の細胞に電流が発生、・・・とつづいていきます。
現在言われているDHAの働きは、脳の神経伝達物質の分泌と受け取りをスムーズにしてくれるということです。脳とは高度な並列型コンピュータ。DHAがよどみない伝達を助けることで、頭脳に良い働きをもたらすと考えられているのです。
とくに思い出すという作業に良いようで、記憶に関わるとされる脳の海馬にDHAは多く含まれています。
しかし、決して脳で合成されているわけではありません。
DHAは体内では合成できないので外部から取る必要があるのです。高カロリーな食事を続けても、お腹の脂肪のように作られはしないのであしからず。
また、DHAを含む魚の油を摂取したところアトピー性皮膚炎の軽減によかったという報告があります。
頭の発達やアトピーなどの皮膚炎を考えると、青魚って子供にこそ良い食材といえますね。
梅肉を塗り、衣をつけ、てんぷらにするとイワシもおいしいですよねぇ。それじゃ酒の肴か。