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ラクトフェリン:鉄の吸収と免疫

牛乳は果たして体にいいのか悪いのか、この問題は人の体質にもよってくる(ラクトースの分泌量など)ので決着は難しいですが、そんな牛乳にも含まれる話題の成分がラクトフェリンです。

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ラクトフェリンとは

ラクトフェリンはタンパク質の一種で、1939年に牛乳から発見されました。淡赤色をしていたことから赤色タンパク質と呼ばれていました。鉄分を含む赤血球って赤いですよね?ラクトフェリンも同様で、結合している鉄のために赤色を呈します。

ラクトフェリンは人の母乳にも含まれています。特に初乳に多く含まれており、出産後3日間の母乳には1リットル当たり5g以上のラクトフェリンが含まれています。その後この量は減少していきます。

またラクトフェリンは含有量は母乳には及びませんが、唾液や涙にも含まれていることから成人後の体でも重要な役割を持っていることが考えられます。

ラクトフェリンの働き

ラクトフェリンが初乳に多く含まれている理由は生後間もない子供に免疫力を与えるためだと考えられています。これはラクトフェリンの免疫賦活作用(めんえきふかつさよう:免疫を活性化する力)の利用だと考えられます。

また、免疫力を高める以外にも、ラクトフェリン自体に抗菌・抗ウィルス作用があるといわれています。ラクトフェリンは鉄イオンと結びつきやすいため、菌などからも鉄イオンを奪ってしまうので、結果菌の繁殖を抑えていると考えられています。

これらの働きから、癌(ガン)、C型肝炎、B型肝炎、ヘリコバクターピロリ菌が原因と思われる胃潰瘍への利用が期待され、研究が進められています。

免疫といってもちょっとその恩恵がぴんとこないかもしれませんが、もっと判りやすい働きもあります。ラクトフェリンが鉄と結びつきやすいのは上記のとおり。

これを利用して鉄分の吸収を高めようとする研究が進んできます。

現在、硫酸第一鉄が吸収されやすい鉄分として知られていますが、ラクトフェリンと鉄を同時に摂取するとそれを上回る生体利用性の値がえられることが分かっています。

また、大量に鉄を摂取すると胃が荒れてしまいますが、ラクトフェリンを同時に摂取するとこれも比較的抑えられるという報告がなされています。

ただ、残念なことに、普通の牛乳に含まれているラクトフェリンは出荷までの過程でほぼ壊れているので牛乳から摂取するのは難しいです。かといって、母乳はもっと無理ですよね。。。

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