疲れたときはにんにく風味の肉料理などがおいしいですよね。いかにも力が出てきそうに感じます。食べ過ぎた後の匂いは少々困り者ですが、あの風味と、明日への活力のために、背に腹はかえられません。
滋養強壮を売り文句にした栄養ドリンクが多数でているなか、ニンニク成分配合という商品は数少ないように思います。本当にニンニクって効くんでしょうか?
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ニンニクってユリやチューリップの球根に似てると思いませんか?なぜならニンニクはユリ科の植物なのです。ユリの香りとニンニクの匂い、あまりイメージは結びつかないですが。
ニンニクがもつ有効成分はアリイン、スコルジン、ビタミンB1等です。アリインはアリナーゼという酵素の働きによりアリシンとなります。このアリシンがニンニクの匂いの元です。アリナーゼはニンニク中に含まれているため、刻んだり、摩り下ろしたりすることで自然に接触しアリシンが生成されます。ただ切るよりすりおろすほうが当然反応量は増えるわけですからおろしニンニクがにおうのもうなずけます。
この強烈な匂いのアリシンが重要です。アリシンはビタミンB1と結合するとアリチアミンという物質になります。
チアミンとはビタミンB1のことですから、そのまんまの名前ですね。
ビタミンB1は疲れに有効な成分として有名ですが、水溶性で調理中にかなり失われやすいです。しかし、アリチアミンになると水に溶けにくくなり、熱にも強くなるので損失を抑えられます。さらに腸での吸収率が高くなるのでアリチアミンはビタミンB1の摂取にとっては最高の形といえます。またアリチアミンは排出されにくく血中に長時間とどまるため長時間働きます。
疲労回復にはちゃんと理屈があったんですね。
アリシンが有用なら無臭だと働きが弱そうに思えます。実際のところどうなのでしょう。
まず、無臭である理屈ですが、無臭ニンニクはアリナーゼを持っていません。なのでアリインが分解されません。しかし、アリインはビタミンB6の働きによりアリシンになります。つまり、アリインのまま摂取しても体内でビタミンB6によりアリシンとなるのです。ビタミンB6は腸内細菌によっても作られているようですが、食事で合わせて摂取するほうが確実でしょう。
無臭のニンニクであっても上手に摂取すれば意味があるわけです。これに着目して、アリインサプリメントも数多く出回っています。これなら口臭も気にならないですね。体内でアリシンになるわけですから大量に摂取し続けると体臭には影響するかもしれませんが。(予測です)
ただ、アリインも含まない無臭ニンニクだった場合はだめですね。
アリシンはアホエン、ジアリルジスルフィドなどにもなり、これらも注目すべき成分として研究がなされています。
そこまでは気にしなくとも、ビタミンB1の働きを大いに助けるわけですから、ビタミンBが多く含まれる肉料理にニンニクはベストの組み合わせですね。匂いが気になるならサプリメントや無臭ニンニクがおすすめですね。