ビタミンKはあまりなじみがない栄養素だと思います。一般にはなじみは薄いですが、子供が生まれるとK2シロップでビタミンKを摂取させることが多いので、お子さんをお持ちの方なら知っている方も多いかもしれません。
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ビタミンKは主に血液の凝固に関わる脂溶性のビタミンの総称で、フィロキノン(ビタミンK1:C31H45O2)、メナキノン(ビタミンK2:C41H55O2)、メナジオン(ビタミンC11H8O2)、そのほかK4~K7まで存在します。
天然に存在するのはK1とK2で、K3~K7は合成ビタミンですが、K3の作用はK1、K2より強いことが知られています。
ビタミンK1(フィロキノン)は植物の葉緑体で作られます。なのでホウレンソウなどの緑色の野菜から摂取できます。
対してビタミンK2(メナキノン)は主に細菌が作ります。日本が誇る発酵食品納豆にはビタミンK2が豊富に含まれています。納豆8グラムほどでビタミンKが十分取れるほどです。外部から摂取しなくても、体内の腸内細菌もビタミンK2を作っています。
なので通常はビタミンKが不足することはあまりありません。
不足すると血液が固まりにくくなります。
昔デンマークの科学者が植物性の脂質がまったく与えられないで成長した鶏が、体の様々な場所から出血し、しかも血液が固まりにくかったという事実からビタミンKを発見するに至りました。
ビタミンKは上記のとおり、血液の凝固に関わっています。正確には肝臓でプロトロンビンや血液凝固因子作る際にビタミンKが利用されます。そのため、不足すると血液が凝固しにくくなるので大変危険です。しかし、普通は不足しません。腸内細菌が作ってくれますから。
しかし新生児はまだ腸内細菌がいないので不足気味。そのため血が止まりにくいです。ビタミンKの不足による「乳児ビタミンK欠乏性出血症」を予防するために、病院ではビタミンK2シロップが与えられます。
ホメオパシーという代替医療でK2シロップを与えなかったために、乳幼児を死亡させたというニュースがありました。ビタミンKのシロップでの摂取は必須ではありませんが、死亡率が減少したという確実な統計があるので、特別な理由が無い限りK2シロップを与えたほうが良いでしょう。
抗生物質で腸内細菌が減少した場合も不足する恐れがあるといえそうです。こういった場合、備蓄分のビタミンK1が利用され何とか場をつないでくれますが、長引くようだとやはり欠乏する危険性があります。
またカルシウムの骨への沈着を助け、骨を強くする働きもあります。血を止め、骨を強くする。よく怪我をしてくる子供などに特に有用なビタミンかもしれませんね。子供たちにはしっかり野菜を食べさせる必要がありますね。