[サプリメントで科学する]トップ

ベータカロチン(カロテン):肌年齢と抗酸化

このサプリの分類

本日は大物、β-カロチン(ベータカロチン)についてなのですが、大物過ぎるので本題に入る前にまずカロチンからスタートです。

一般的にカロチンといえばベータカロチンをさすのですが、カロチンにはα-カロチン(アルファカロチン)、β-カロチン(ベータカロチン)、γ-カロチン(ガンマカロチン)、δ-カロチン(デルタカロチン)、ζ-カロチン(ゼータカロチン)などがあります。

そのほかにも抗酸化物質として有名なリコピンもカロチンの異性体で、カロチンの仲間なんです。

動物、植物が持っている、黄色~赤色で脂溶性の色素物質を総称してカロチノイドといいます。なのでこれほどたくさんのカロチンがあるわけです。その中でも最も広く分布しているのがベータカロチンです。

カロテンも同じ物質のことですが、この中ではカロチンとしておきます。

広告

スポンサードリンク

ベータカロチン(βカロチン)とは

ベータカロチンは上記のとおり自然界で最もよく見られるカロチンで、植物の葉にクロロフィルと共に存在しています。またニンジンの根(赤い、食べる部分です)に多く含まれており、ニンジン独特の色を出している色素の1つです。正確には吸収極大は497.466nm。これだけではよく分かりませんね。光の波長と色の関係を示します。

吸収光のスペクトルと色の関係
吸収光の波長(nm)吸収光の色観察される色(補色)
400~435緑黄
435~480
480~490緑青
490~500青緑
500~560赤紫
560~580黄緑
580~595
595~610緑青
610~750青緑
750~800紫赤
「新染色加工講座3」共立出版(1972) より

この表から分かるとおり、ベータカロチンは赤色、とくに赤紫よりは橙に近い赤となります。

ベータカロチンは以前からビタミンA前駆体として知られていましたが、現在ではベータカロチン自体の働きも注目されています。

ベータカロチンの働き

さて、まずはなんといってもビタミンA前駆体です。ベータカロチンはレチノールとして吸収・保管され、このレチノールがが体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは摂取しすぎると過剰症の恐れがありますがベータカロチン(レチノール)なら過剰症の心配なく、不足分のビタミンAが体内で順次作られていくことになるので非常に安心です。

ビタミンAは肌、粘膜の抵抗力を高めてくれるビタミンで、お肌にいいといわれるのはこのためです。このあたりのことはビタミンAの項目で詳しく紹介しています。

ビタミンAとしての働き以外にも、ベータカロチンの抗酸化力があることも分かりました。この抗酸化力により動脈硬化等を防ぐ力があると考えられましたが、それよりも普通の方にはお肌への働きがあることのほうがうれしいのではないでしょうか。

活性酸素の中でも強力なものとして一重項酸素があります。この一重項酸素に対して抗酸化力を示すのがカロテノイド、カロチンの色素です。

つまりカロチンは、ビタミンAとしてもお肌の抗酸化物質としても働いてくれるわけです。

カロチンは脂溶性なので油で料理するといいですよといわれますが、油は避けたい人も多いのではないでしょうか。実は伊藤園の研究から茹でても吸収率が1.6倍に高まることが分かりました。

油揚げと人参が入った煮物など、良いのではないでしょうか?

  • サプリメントは食品です。薬のような働きを持つものではありません。
  • サプリメントを購入する際は販売店の表記をよく確認してください。
  • 当サイトはサプリメントの積極的な摂取を推奨するものではありません。
現在地
ホーム
ベータカロチン(カロテン):肌年齢と抗酸化