ぬるぬるとした食感の食品は体にいいとよく言われます。ヤマイモ、納豆、海藻などなど。それぞれヌメリの物質は違いますが、フコイダンは海藻に含まれヌメリ成分のもと。体にいいからといって海藻の食べすぎには要注意です。それはフコイダンのせいではないんですが、理由は後ほど。
広告
スポンサードリンク
フコイダンは上記のとおり海藻のヌメリ成分です。正確には多糖類の一種。フコースという糖が基本ですが、そのほかマンノース、キシロースといった糖と、硫酸、ウロン酸などにより構成されています。
この複雑な分子構造をもつヌルヌルとしたフコイダンにより、海藻は傷からの細菌の侵入などを防いでいると考えられています。
フコイダンは20世紀初頭に発見はされていたのですが、分子の大きな多糖だったため昔は単離することができませんでした。抽出可能になり、研究が進んだことで最近のような人気が出てきました。
フコイダンは海藻の中でも褐藻と呼ばれる褐色をした藻に含まれています。褐藻にはモズク、沖縄モズク、ヒバマタ、ワカメ(メカブ)、コンブなどがあり、それぞれフコイダンを含んでいますが種類は異なります。
フコイダンにはいくつが種類がありますが、その中でも3種類の、U、G、Fについてよく解説されています。コンブフコイダンこのU、G、F、3種類全てのフコイダンを含んでいます。対して、メカブ、モズクはフコイダンを持っているのですがU、G、Fは含んでいないようです。
フコイダンの種類によって働きは異なります。自分の体に合ったものを選ぶようにしましょう。よく出回っているコンブフコイダンならU、G、Fが摂取できるので便利かもしれませんね。
フコイダンに期待されるのは食物繊維としての働き、抗酸化作用、ピロリ菌の抑制などです。
フコイダンは難消化性の多糖類です。難消化性といえば難消化性デキストリンがありますが、これもフコイダンも同様に食物繊維として働いてくれます。
フコイダンの場合コレステロールの吸収を押さえるので血中コレステロールの上昇を抑えるため、生活習慣病の予防に役立つといえます。
また消化器内に巣食うピロリ菌の働きを阻害するという嬉しい報告もあります。
ガゴメコンブのフコイダンは肝細胞増殖因子(HGF)の分泌を高めることも報告されています。
最近、大きな分子であるフコイダンを低分子化したものが出回るようになりました。低分子化されたことで吸収率が良くなっているようです。しかし、そうなると難消化性の食品としての働きは失われると思うのですが・・・。
2006年7月現在のところ研究報告されているのは普通の分子サイズのフコイダンについてです。低分子のものについては"低分子ゆえの働き"というのは特に報告されていません。低分子の恩恵はどれほどあるのか、今後研究されるかもしれません。
さて、海藻なら安いから、フコイダンの摂取なんて簡単、どんどんコンブを食べよう、なんて食べ過ぎないでください。 海藻にはヨウ素も含まれています。ヨウ素も重要な栄養素で、十分摂取しないといけないのですが、過剰に摂取すると甲状腺の異常を引き起こす恐れもあります。