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ビタミンB12:代謝・細胞分裂で赤血球を

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赤いタンパク質としてラクトフェリンを紹介していますが、今回は赤いビタミンことビタミンB12です。しかし、今回は赤といっても鉄じゃありません

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ビタミンB12とは

ビタミンB12とはコバラミンという化学物質のことです。このコバラミン、いくつかあるコバミドの総称なのでビタミンB12もビタミンB12類と呼ばれることもあります。単にビタミンB12といった場合はシアノコバラミン(C63H88CoN14O14P)を指すことが多いようですが、ほかにもヒドロキソコバラミン、アクアコバラミンなどがあります。

動物や細菌には必須の成分なので動物性の食品によく含まれています。特に魚介類、レバーなどの動物の臓器に多いようです。逆に、植物性の食品にはほとんど含まれていません。持っているのは今のところクロレラや海苔ぐらいです。なので、ベジタリアンはビタミンB12欠乏症で大変じゃないの?と思ってしまいますが、細菌にも含まれるので発酵食品からとることができます。

また、食品からとらなくても大丈夫な場合もあります。ある種の腸内細菌がビタミンB12を作ることが知られており、食品で足りない分を補っていることがあります。

ビタミンB12の物質名コバラミン、これは結合している分子がコバルトであることに由来しています。体内にもコバルトがあるんですよね~。コバルト自体はまた別の機会に解説します。

ビタミンB12の働き

ビタミンB12は体内でアデノシルコバラミンとメチルコバラミンに作り変えられます。それぞれ水素移動を伴う酵素反応、メチル基移動を伴う酵素反応に関わっており、働きが異なるのですが、体内で作り変えられる反応なので、摂取するときには特にここに気をつける必要はないでしょう。ちなみに大半はアデノシルコバラミンに作り変えられており肝臓に蓄えられています。

ビタミンB12は生きていく上で必須。炭水化物、脂質の代謝といったエネルギーの生成や、DNAの材料である核酸を作るのにも必要です。

なので不足すると細胞分裂がうまくできず、赤血球が不足し悪性貧血となることがあります。細胞分裂は赤血球だけの問題ではないので、さらに不足が続くと大変ですね。

代謝が進まないため力が出ないうえに、細胞の新生もされない。まぁ、そこまで行ったら重症ですが。

また、ビタミンB12が神経に与える作用についても注目されています。ある研究では老人性痴呆症の人の脳には通常の1/4程度しかビタミンB12が含まれていなかったとされています。

また、お年寄りのビタミンB12欠乏症の症状は重く、四肢の痺れ、筋力・平衡感覚の低下などの神経障害を引き起こします。

このような症状がビタミンB12とそのほかのビタミンB群を投与することで改善されることから、ビタミンB12の欠乏は神経にも影響することが分かります。

ビタミンB12を頭脳サプリと称して扱っていることもあるようです。

バランスの取れた食事をしていればビタミンB12が不足することはありません。4~5年分のビタミンB12が肝臓に蓄えられているとも言われています。しかしそのために欠乏症の症状も徐々に現れるので見過ごされることも考えられます。

菜食主義の場合不足することがありますし、動物性のものを摂取していても、腸内環境が悪いと腸内細菌による生成も衰えるだけでなく、腸からの吸収率も落ちてしまいますので腸内環境は大事です。

ビタミンB12が欠乏している人の母乳で育てられた子供はビタミンB12欠乏症となる恐れがありますので、菜食主義の方は注意したほうがいいかもしれません。

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