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銅(Cu):不足すると貧血に

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摂取しなければならない金属といえば、鉄、亜鉛、マグネシウム、がメジャーですが、銅も実は重要なミネラル。銅製のヤカンや鍋に生える錆、緑錆(ろくしょう)は有毒だといわれ一時廃れていきました。

しかし実際は毒性は低くかなり過剰に摂取しない限りは害が無いことがわかり汚名返上。センスのいい調理器具として出回っています。調理器具として使っても銅は水にはほとんど溶け出しませんけどね。

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銅の働き

銅は元素記号Cu、非常にポピュラーな金属です。一見摂取していないようにも見えますが、成人の体内には80mgほどの銅があります。

銅を利用する生物といえば甲殻類や軟体動物ではないでしょうか。

通常われわれが酸素の運搬に使用するのは赤血球中のヘモグロビン。これは鉄を含んでおり、赤い色は鉄由来です。

それに対して、タコ、イカ、エビなどはヘモグロビンではなくヘモシアニンで酸素を運搬しています。ヘモシアニンは鉄の代わりに銅を使っています。酸素と結びつく前は無色透明ですが、酸素と結びつき運搬しているときは青色を示します。これは酸化銅になったため。緑錆と同じ原理ですね。

タコ、イカ、エビにとって重要なのはわかりましたが、ヘモグロビンを利用しているわれわれにどこで関わってくるのか?実はわれわれにとっても酸素の運搬で重要な役割を果たしています。

銅は肝臓でセルロプラスミンというタンパク質を作るときに材料として使われます。セルロプラスミンは体内の鉄を酸化します。酸化と言うと悪く聞こえますが、酸化還元は体内でも重要な働きの1つ。鉄がセルロプラスミンによって酸化されることが大切なんです。

セルロプラスミンは二価の酸化銅を持っていますが、鉄に出会うと銅を一価に還元、変わりに二価の鉄イオンを三価に酸化します。銅から鉄に電子が1つ移動するわけですね。

鉄イオンは三価になることでトランスフェリンと結合できるようになります。トランスフェリンは鉄運搬タンパク。これが作られないとヘモグロビンを作ることができません。

つまり、銅が無いとヘモグロビンが作られないわけです。いくらせっせと鉄を摂取しても銅が不足していると貧血を起こしてしまうということですね。

今まで、貧血関連のサプリといえば、ヘム鉄葉酸がありましたが、銅もまた別の働きをする貧血関連のサプリですね。

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